高コンテクストの日本人とアスペルガー留学生

ネパール, 留学生

 異文化交流、異文化理解をしていくときコミュニケーションはとても大事です。
ところで、このコミュニケーションってどういうことだと思いますか?

 コミュニケーションの重要性はわかってたつもりでしたが、留学生にそれを伝えるのは難しかった。
まさに、コミュニケーションギャップ・・・

僕たち(ホストファミリー)は困っている

ホームスティをしていても君はずーっと部屋に居るし、誰とも何も話さないけど、
何か困っているのではないか?

Mu~~~~~~. I’m not in trouble

君は困っていないと言うけれど、我々は困っている。
例えば、今の状態でいいのかな?僕たちは居心地が悪い。
君が何を考えているかわからない。
・・・トラブルじゃないんだよ。。。
まず何も話さないし、話そうとしないから、トラブルにもならないし。
今の状態は、留学してホームスティしている目的にあっているの?

・・・

例えば、今、僕が言ったことはわかってくれる?
僕たちが困っている。

understand

僕は、これはコミュニケーションが不足しているから起きていると思う。
逆の立場になって考えたらわかると思うんだ。
君の家に、ネパール語を話せない留学生が来て、ネパール語を学びたいと言う。
数ヶ月過ぎて生活に慣れても、誰とも何も話そうとしないし、要件は英語で伝える。
君ならどうする?どう思う?

・・・

僕たちは英語がうまく話せないし、君も英語が母国語ではないし。
日本語を学びたいと言うのだから、日本語で話す努力はしてほしい。

・・・

日本語で話しかけられて、
①聞き取れないときは「もう一度言ってください。」
②聞き取れても意味が分からないとき、「すみません、意味がわかりません。」
③答え方がわからないとき「今、調べます、ちょっと待ってください。」
 とか「英語でいいですか?」と、
君がどういう状況で困っているのかを相手に伝えなくてはいけない。
今は、どれ?

・・・
understand

僕たちは、君がせっかく留学しているのだから、日本語で話したり、
多くの人と交流したりした方がいいと思うんだけど、
君は、今のままでいいのかな?
君は変わる必要はないと思っている?
あるいは、僕たちに変わってほしいところはない?

Don’t change

あぁ、そうなんだ。
わかった。君も僕たちも今までと同じってことね。

 なんだか・・・がっかり・・・・。
 ホームスティって、誰のための何????
 ほんとに、ただの賄付きアパート扱い・・・しかも、無料の・・・

 両者とも母国語ではない英語での会話なので、分かり合うことはかなり難しいとは思います。
一方で言うと、「英語」(ことば)にしか頼れないので、日本人同士の忖度はありません。

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ハイコンテクスト?ローコンテクスト?

日本は「ハイコンテクスト社会」と言われます。

異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養 単行本 – 2015/8/22
エリン・メイヤー (著), 田岡恵 (監修), 樋口武志 (翻訳) 第一章

  アメリカの文化人類学者であるエドワード.T.ホールさんが唱えた「ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化」という識別法で、 日本のコミュニケーション環境の特徴は「ハイコンテクスト」とされ、逆側のローコンテクストはドイツ人やアメリカ人のコミュニケーションとされています。

「コンテクスト:context」とは、ここではコミュニケーションの基盤である「言語・共通の知識・体験・価値観・ロジック・嗜好性」などのこと。

 つまり、ハイコンテクスト文化とは日本のように小さい時から同じ教育を受け、日本語を母国語として流行語も浸透するし、物資の流通もほぼ同じなど共有性が高い文化のことで、伝える努力やスキルがなくても、お互いに相手の思いを察しあうことで(察していることは無意識かも)、なんとなく通じてしまう環境のことです。

 つまり、日本においては、コミュニケーションがうまくいくかどうかは、会話そのものよりも共有するコンテクストが多いほど簡単。
 そして、言葉で伝えないのだから、「話し手の能力よりも聞き手の能力によるところが大きい」ともいえる。

  例えば、日本政界?行政?の返答で「前向きに検討します。」は「やらないと同じこと」、
  は日本人の多くが知っています。

 ところが年齢差や価値観の違いがありその環境が共有度が低いと、日本人同士といえども今度は一転、コミュニケーションは滞ります。 お互いに話の糸口も見つけられず、会話も弾まず、相手の言わんとしていることがつかめなくなってしまうのです。

 妻の思いを夫が理解できないのはその例でしょうか・・・。

ローコンテクスト環境の我が家

 留学生をホームスティさせている我が家は、まさにこのローテクスト環境といえます。

 共通のコンテクストが少ない場合は、言葉で直接伝えたことを、直接受け取る方法でコミュニケーションをとります。可能な限り、言葉による表現や伝達が必要になるので、どちらかというと「伝える側の話しての能力」が大きいといえます。

 言葉で伝えるしかないとわかっています。

 その上、我が家の留学生はほとんど話をしないので、本人からの言葉がなくても、
留学生の態度や表情から「困っているんじゃないかな?」「言葉が通じていないな。」
「OKと言ってもわかってないな。」なども推測します。

すっごい、疲れます。
日本人って、言葉ではなく、ついつい非言語コミュニケーションを読み解こうとしてるんですね。

非言語コミュニケーション

 会話中に身振り手振りを付けたり、声を大きくしたり、外国人のオーバーアクションを日本人は強く感じるところですが、確かに、以下の実験からも、非言語から多くの情報を取っていることがわかります。

 1970年代初頭、アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが、実験結果の報告をしました。 その報告は、「話し手」が「聞き手」に与える影響がどのような要素で形成されているのか、というものです。

  • 視覚情報…見た目、身だしなみ、表情(視線)など…55%
  • 聴覚情報…声の質・大きさ・速さ(テンポ)…38%
  • 言語情報…話す言葉そのものの意味…7%

 これは非言語コミュニケーションを語る上で非常に有用な結果といえるのですが 逆に、言葉そのものからの情報って、たったそれだけなの?1割もないの?って思います。

 それにしても、我が家の留学生ノーアクション、そして無表情です。
出身国によっては、オーバーアクションをはしたないとか、推奨されないところもあるようですが。

それにしても・・・
貧乏ゆすり、パーカーのひもをかじる、爪をかじる、直立不動で立って指示を待っている、
食事中も居間でも何も話さない、
一人で部屋に居る、休みの日もほとんど部屋に居る。
お昼と夕方ごはんのためにキッチンに来るが、ずっとただ待っている。
自分から進んでお手伝いしない、
周り状況の変化があってもたずねない。

いやいや、これ、非言語コミュニケーションじゃない・・・。

コミュニケーションがない状態だよね。

「コミュニケーションに熱心でなく、誠意がなく、何も考えていない(意思がない)」

あなたがどんなに知能が高くて、成績が良くても、コミュニケーションしなければ、
あなたは誰ともちゃんとした人付き合いはできないし、日本文化を理解できないと思う。

え?私たちにどうしろと?

 お弁当を含む三食を用意し、洗濯して、お風呂、掃除、日用品の買い足し、、、

そりゃ~居心地いいでしょ、私もそういうお大臣扱いでいられるならいたいですよ。

「我が家はホテルではないし、私は家政婦でもない、ましてやあなたはお客ではない。」と伝えたけど
彼は何も変わりません。

そして彼は、私たちに変わらなくていいと言うのでやることは変わりませんが、

私たちの気持ちは変わりました。

異文化交流への期待はなくなり、愛想笑いも底をつきました。

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アスペルガー症候群疑惑・・・

 表記に誤解がないように書きたいと思います。。。
「疑惑」とつけると、その前に書いた「アスペルガー症候群」が罪状のような扱いになってしまいますが、決してそのような意図はありません。
 私たちの彼に対する理解の仕方が間違っていて、本当の彼を理解するための方法は他にあったのではないか、という思い至ったのです。
つまり、私たちの最初の彼のとらえ方が正しくないために勝手な期待や希望を持っていたのではないか。

 今まで私たちは、異文化交流を望み、日本語や日本文化に触れたくてわざわざネパールからきた優秀な留学生として扱っていました。
 実際、学業における選考を通る優秀な能力を持っているはずです。

しかし、、、

のれんに腕押し、ヌカにくぎ、、、のような日々のやり取り。
一問一答のようなやり取り。
一つから他を類推して同じようにするとかができないし、
周りの人を観察してマネをするとかしない。
自己主張しないけど、それは何も話さないから。

これは言葉の壁があるためかな、と考えるようにしていたけど、

言葉というより「人に興味をしめさない」のはおかしいかなぁ、と。

もし、そうだとしたら、私たちのモヤモヤ、イライラは

カサンドラ症候群では・・・?

カサンドラ症候群とは、家族やパートナーなど生活の身近にいる人がアスペルガー症候群(現在の診断名は自閉症スペクトラム障害:ASD)であることが原因で、情緒的な相互関係を築くことが難しく、心的ストレスから不安障害や抑うつ状態、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの心身症状が起きている状態を指す言葉です。

 つまり、 ASD本人との情緒的交流の乏しさからの関係性の悪化をASDの本人も、そして周囲も理解してくれないことが、苦しみや孤立を深くさせてしまいます。とくに、ASD本人は学業等の成績などでは優秀だから周囲は理解しにくいのでしょう。

 例えば、我が家で、私は非常にモヤモヤしていますが、
学校の先生や留学協会の方には「まだ日本の生活に慣れていないからでしょう」ということで片付けられてしまいます。
 そして、ますます私たちの対応ばかりが求められる。。。。

やってられません

アスペルガー症候群と仮定したら

もし、彼がアスペルガー症候群と仮定したら、

私たちは、彼にどういう対応ができるでしょうか。。。それは次回。

ネパール, 留学生

Posted by カトラ