スマートフォンを検討②

私のスマホに父から着信。
あぁ、これね、新しいスマホから初めてかけてみた。
え??スマホ?? 買い替えしたの??
以前、高齢者に不安をあおってスマホへの切り替えを迫り、まんまと母がその渦中に引き込まれていることを書きましたが、その後、コロナ禍状況の中で先送りにしていました。
ところが、半年経ち忘れかけていた今、突然、父からの電話。
急に思いついて、知らぬ間にガラ系からラクラクスマホに買い替えをしていました。
不安が勝つ
高齢者になると、「あとで」「大丈夫」「焦る必要はない」という説明はすぐに消え、「不安」ばかりが大きく脳内を占領するのでしょうか。
両親には、私に言わずに、勝手に新たな契約や買い替えをしないように伝えていたつもりでした。
とにかく、焦って買い替える必要性がないため、コロナ禍が終息するまではいろいろな動きをしてほしくない気持ちもありました。
将来的なことを考えると、契約者も本人ではなく、私の夫名義にしてほしかったのです。
ひっきりなしに届く郵便物
しかし、ドコモからの買い替えを促す郵便物は途切れることなく届きます。
ドコモの利用明細のことではなく、広告宣伝なので、正しくはドコモ代理店からの郵送物なのでしょうが、これホントに勘弁こうむりたい・・・。
そして、最後のダメ押しが知人。
たまたま来訪した知人が、スマホを取り出していじっていたそうです。
年齢は両親よりも10歳は若いし、むかし、商売をやっていた方なので利用頻度が高いのでしょう。
その方がサクサクっと操作しているのを見てほしくなったのでしょう。
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数日後朝の電話
買い替えたという電話の数日あと、家電が鳴り、夫が出ました。
夫の受け答えを聞いていると、私の母からの電話です。
夫には私の両親がスマホに買い替えしたが、きっと扱えないだろうという心配を共有してあったので、母からの電話がスマホに関することだということはすぐにわかりました。
これから、ドコモにスマホの解約に行くっていうんだけど、それはできないと思うし、そう伝えたんだけど・・・・
窓口でもめるかもなぁ。
オレちょっと行ってくるわ。
うん、もめて迷惑かけるね。
私も行くわ。
いや、あなたが来たらお父さんたちを叱って余計に揉めるから、来ない方がいい。
なんとできた旦那様でしょう。。。
買い替えの時の担当者が・・・・
2時間ほどして戻ってきた夫に話を聞いたところ、いくつか問題点が整理されました。
一番の発端は、やはり最初の窓口担当者の適当さ、ですね。
84歳の老夫婦が来て、携帯電話の保証期間終了の不安を訴えたとき、すぐに「ラクラクスマホ」への買い替えを勧めたことです。
「お孫さんとも直接やり取りしたら楽しいですよ」みたいなことを言ったらしい。
両親は、アドレス帳と電話機能の維持だけが望みだったのに・・・。
ドコモに限らず、窓口担当の方がすべきことは、店舗のノルマや方針優先ではなくやはり、顧客ニーズの明確化とマッチングではないですか?
年寄りにできないものを与えないでほしい・・・。
実際、今回対応した窓口の方は、実は前回近くで両親が買い替えた様子を見ていて「スマホは無理な人たちではないか?」と思ったそうです。ただし、自分は直接対応ではなかったので知らんぷりをしてしまったと、正直に話してくれたそうです。
その良心の呵責があったためか、よくありがちな「最初ついてくる余計なもの(アプリ)」、は全く契約させてなかったり、代替案の提示、スマホ講習会の案内など丁寧にしてくれたそうです。
つまり、両親の考えは「もとに戻せ」「使えないやつを買わせやがって」というところでしたが、夫が「スマホ購入が済んでいるから契約解約はできないし、元に戻れない」という説明をする。しかも、なぜ使えなくなるか3Gやら5Gやらの説明なども。
ドコモ窓口担当者にはなぜ、スマホではなく、ラクラクホン型(ガラ系携帯電話)の提案をしてくれなかったのかを問いただし、そちらへの変更案を出させました。
結局、その日には何も解決しませんでしたが、まず、ガラ系ラクラクホンが手に入るまではスマホを使い、そのための講習も受けてみる。ラクラクホンが手に入ったら、再契約でスマホを辞める。その際の移行作業は責任をもって今日の担当者が行う。そのあとラクラクスマホはネット等で夫が売買してなるべく収支が丸くおさまるようにする。
スマホ講習などで、両親がスマホに慣れてくれればそれはそれでもいいのですが・・・。
夕刻、夫がネットでガラ系ラクラクフォンを見つけ購入できました。
来週届けば、シムの交換などドコモの窓口で対応してくれる予定です。
つかいにくい
ラクラクスマホは富士通さんがつくったモノです。(らくらくスマートフォンme F01L)
富士通さんはこれ、本当に高齢者向けに作っていますか?口コミを読むとこれ以前のバージョンよりはよほどよくなっているらしいのですが。
でも、私も高2の息子も、実際にこのラクラクスマホに触ってみましたが、使いにくいです。
高2の息子などは、スマホは直感的に操作し始めて、私が教えることはありませんでした。
しかし、このラクラクスマホ、普通のスマホで「直感的」にやっていた操作とは違います。
画面はタッチパネルではなく押し込まないといけないし、ダブルタップもありません。
つまり、アイフォンのスマホが使えても、ラクラクスマホの使い方を教えることができないのです。
普通のスマホとラクラクスマホが違いすぎる。
あと、カスタマイズができないから、わかりやすくしてあげようと思ってもできない。
その上、両親は「よく分からないのは、自分のせい(歳だから)」と思いながら一生懸命説明書を読んでいる親の姿の不憫さに本当に悲しくなります。
富士通さん、ホントに高齢者に試してもらって「ラクだわぁ」と評価をもらいました?
文字入力など、候補を出して、さらにそこから・・・ってわかりにくい。(そこがいいという口コミありましたが)
私の父は頸椎を痛めて指先にしびれがあるから細かい作業はできません。
ラクラクスマホ、オススメしません・・・。
特にラクラクスマホを教えてくれる人、サポート体制がないと高齢者が習得するのは難しいでしょう。
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しばらく使ってみたら
でもでもでも、しばらく使ってみたら、変わるかもしれません。慣れることもあるでしょう。
ということで、スマホ講習会を受講するまで両親には使ってもらいます。
講習会で上手に教えてくれたらやる気も出るかもしれません。
少し楽しみに待ってみようと思います。
それにしても、これから高齢者の仲間入りをする身としては、本当に使いやすいインターフェイスや操作性などがどういうものか気になります。
少なくとも、若い人や今の私が使いやすくなければ、高齢者にとっても使いにくいでしょう。
っていうか、いちばんは、人間にとって使いやいとか便利であるはずのものが、人間側が合わせる必要があるということがちょっと本末転倒のような。。。
まだまだ仕事ありそうだね
とことで、2014年にオックスフォード大学が、あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」という論文を発表しました。
AI等の発達により、人間の仕事の多くが機械にとってかわられる可能性があるそうです。
その論文の表面だけを読みかじった教員らによって不安をあおられた息子たち世代は「仕事がなくなる。どんな仕事に付けばいいのか」と不安に思っているのは確かです。
でも、今回のことを通して高2の長男は「使いやすさって機械の操作性じゃない」ということに気が付いたようです。
誰にとって使いやすいのか、新しいことを覚えられないおばあちゃんに、僕に、目が見えにくいおじいちゃんに、お母さんに、小さな子に、・・・・
長男はIotに興味があるのですが、実際の「インターフェイス」にも目が向いたようです。
私と両親の親子げんかになりそうだった「新スマホ買い替え」が案外副産物を残してくれるかもしれません。
必要は発明の母。
偶然は発明の父。