非繊細さん夫と繊細さん長男

我が家ではおそらく夫のみが「非繊細さん」です。
世の中の5人に1人が「繊細」さんという比率からすると、我が家では世間とは「逆」の比率といえそうです。
繰り返しになりますが、「繊細さん」HSP(Highly Sensitive Person)は、1996年にアメリカのアーロン博士により名付けられたもので、生まれつき敏感で、周囲の刺激を受けやすい、感受性の強い人たちのことを指します。これは病気でもなく、医学的な概念でもない。あくまで「気質」です。
YouTube大学
夫は、オリエンタルラジオ・中田敦彦さんのYoutube大学をよく見ています。
教育系YouTuberとして、あっちゃんが「本」や歴史などを題材に、講師のようなイメージで、カメラに向かって1人で授業を行っている、300万人のチャンネル登録者がいる人気の動画です。
彼の意見が前面に押し出されているので、事実誤認が多いという指摘や、好き・嫌いはあると思います。
正直、私は登録してないし、視聴もしていません。
ただ、今回、「繊細さん」の本(武田友紀・著)を紹介していると夫から聞き、合計4編、視聴してみました。
「繊細さん」の本について2編と「繊細さん」の幸せリストの2編です。
理解して生かす
「繊細さん」の本、を読んで「あぁ、そうそう」と思ったのは事実です。
そして、何となく今まで感じていた自分と周囲との違いについて納得ができました。
とはいえ、「気質」ですから、病気ではないし治療するわけでもありません。
これからの自分自身が生きていくのに少しでもこの理解が役立てばいいわけです。
何よりも、世の中には、自分の考え方とは異なる「非繊細さん」がいるということを知れたことは良かったと思いました。しかし今回、あっちゃんのYouTubeを見ながら思ったことは、「繊細さん」の本を読んでいる時さえも私は「繊細さん」の読み方をしていたということです。
つまり、「繊細さん」あるあるの高い共感力で、「繊細さんの本」を読んでいただけ、ということに動画を見て気が付いたのです。
「繊細さん」として、HSPの自分を受け入れることでちょっとラクになるのですが、実際に生きていく中で今後も色々感じてしまう事実はあるわけです。
本を読んだことで、これから起こるであろうしんどい場面において、自分はダメだなぁと思わなくなる、とは思いますが、実際のアクション自体は変えることはないのだろうと思います。人を頼ったりお願いするのは苦手だし、困っている人は助けようと思っちゃうし‥‥
本の中でも、ひとり考え悩むのでなく具体的にこうしようと対策を紹介してくれていますが、あっちゃんの動画をみることで、「していいこと」が具体的にイメージできたのです。
あっちゃんが非繊細さんの立場から「繊細さん」を理解しようとしていることで、「繊細さんあるあるのみを理解していた自分が、「非繊細さん」の考え方を具体的に知ることができて、「え?それってありなんだ。」と目からウロコ状態です。
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へぇ~、そうなんだ
あっちゃんの動画で「へぇ~、そうなんだ」と思ったこと。
例にあげた「レモンサワー」の話。飲み会で、テーブルの角に置かれたレモンサワーが気になる!
落ちて溢れるんじゃないかとヒヤヒヤする!…なのに、目の前に座っている人は全然気づいてなくて、それもまた気になる!
うんうん、気になる。早く移動させないと‥‥
「なんで目の前にあって気づいてるのに、移動させないの!」
と、ちょっと腹が立つこともしばしばありました。でも、実は気づいてさえもいない人がいると知ったんです。「そっか~気づかない人もいるだよね~」と、むしろ気づいてしまう自分がHSPだと納得です。
世の中には「繊細さん」と「非繊細さん」がいるとわかっただけで、イライラする必要がなくなります。
非繊細さんに対して今まで、「配慮がたりない」「なんでこんなことするんだろう」と、腹を立てたこともあったと、今になって分かった…
HSPが他人に振り回されないために
①断っていい
②嫌っていい
③確認していい
④助けなくていい
⑤頼っていい
⑥逃げていい
⑦合言葉を使う
⑧仲間を作る
「繊細さん」は周囲のことを優先してしまうから、そこからいったん離れて、むしろ自分自身の「直感」を信じていい、ということはわかります。
本を読むとそれは納得できる。でもねって、思っていたのですが、
あっちゃんが、実際に非繊細さんがどうしているかをやって見せてくれる。「飲み会の断り方」「嫌いな人への態度」「機嫌の悪い人への質問の仕方」などなど教えてくれるんです。
気の合わない人との気が向かない飲み会は断る。
機嫌が悪そうな人には「機嫌が悪そうだね」って直接たずねる。
へぇ~、そういうのって、「非繊細」さんは本当に、平気でできているんだ。
非繊細さんにとっても理解しやすい
動画の中で、あっちゃん自身は、「非繊細」さんといいつつ、かつては繊細さんだったエピソードや、ノートとボールペンのニッチな趣味など繊細さんっぽい部分も話しています。そこから、「繊細さん」は生まれつきの「気質」という点も分かります。「繊細さん」のチェックリストで13項目以上があてはまり「繊細さん」だとわかっても、個々は選択する項目が違っているし、繊細さんの中にもいくつかのタイプがあるようです。
あっちゃんのプレゼンは上手で、私が夫に「繊細さん」について説明したり、具体的に言っていたつもりでも、このあっちゃんの動画にはかないません。
非繊細さんの夫は、「繊細さん」を「気にしなくてよいことを、気にしすぎる」という程度の理解でした。
あっちゃん曰く、非繊細さんは、
「そんなの鈍感力発揮しろよ〜」「直せよ〜」て普通は言いがちなんですけど‥‥とか、
機嫌が悪い人がいると、自分がそれ以上に機嫌を悪くして、「何機嫌わるくしてるんだ!」「なんなんですかあ??」って(機嫌の悪い人に)言えちゃうんですよ。
まさに、夫です・・・
でも今回はあっちゃんがそういう「非繊細さん」のことを表現してくれることで、感じ方の「違い」についてもわかりやすくて、夫も少し実感できているようです。
「HSPってなにかの病気なの?って思っちゃうけど繊細さんと非繊細さんという世界が両方あるんだよ、許容しようってところがすばらしいと思うんです」(あっちゃん)
「繊細さん」の本、を手に取る人は、おそらく自分自身が「繊細さん」か、そうかもしれないと思っている人です。「非繊細さん」がすすんでこの本を手に取ることはないでしょう。だから、「非繊細さん」が、世の中には5人に1人の「繊細さん」がいて、生き辛い思いをしているということに気が付かずにいるでしょう。
だからこそ、その”非繊細さん目線”からプレゼンされることによって、「こんなにも感覚が違うのか!」と観ている側の繊細さんだけでなく、非繊細さんも思えるんですね。
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長所をさがせ
高校二年の長男が、進路指導の一環で、「自身の長所と短所」を理解する課題をしています。
オレさ、短所は出るけど、長所が出てこない。
友だちは「人への気遣いができる」って言ってくれるけど。
オレの長所って何?
お~、繊細さんあるあるだね。
「人への気遣い」
短所は長所
「繊細さん」が「非繊細さん」のことを知らなかったように、普段自分が他者と何がどう違うのか、長所や短所ってなかなか表現したり、振り返ったりしません。
受験や就職の面接、自己紹介などの時に考えたりする程度でしょうか。
「繊細さん」ってみてマネするのがすごく上手で、そこそこ何でもできちゃうから特技もこれといって持っていないように感じています。実はこの能力も長所といえるし、短所ともいえる。
さて、「繊細さん」の特徴ですが、「共感力」「感受性」「洞察力」が高いところでしょう。
長所と短所は表裏一体です。
「共感力」が高いこと、それは、鏡に映すかのように、相手の心や気持ちに共感できるということです。しかし、気づきすぎるがゆえに、相手の気分によってかなり影響を受けてしまうというのです。
「感受性」が高いということは、ささいなことでも心の中で深く味わい、喜びや幸せを感じられる力が備わっていることです。一方で、何気ない言葉にひどく落ち込んでしまうなど、「気にしなくていい事」や他人からの評価で自分の価値を測ってしまうところがあります。
「洞察力」があることは、普段と違うことに素早く気が付いてキケンを察知出来たり、「根本的な原因は何だだろう」「背景に何があるのだろう」など、物事を深く考え、目に見えないものの本質を見抜く力です。ただし、深く考えたいので時間がかかるし、急に違うことや新しい用事が入るとすごいストレスになってしまいます。
なかなかおもしろい。
特に長所を並べると、HSPはすごい能力の持ち主と思えてきますよね。
「繊細さん」の本、やあっちゃんの動画は、今までHSPの生きづらさに焦点があたりがちだったものが、「繊細さん」であることのメリット・強み・長所を活かすこと、育むことも大切にしていきましょう、という主旨のものだと思います。そして、「繊細さん」「非繊細さん」がお互いに理解して共存していきましょう、ということです。ぜひ、あっちゃんの動画、おススメです。