1から始める?それとも0から?
受験生である次男が、週末、課題作文を書いていました。
何を書いていたのかはわかりませんが、文章の表現として迷ったのでしょう。そばにいた私と長男に、何気にたずねてきました。
1から始めるっていうよね?それとも0から?
1か、0か、どっちが正しい日本語なのかな?
作り上げていく手順なんだから、1から2,3と順に始めるんだよ。
何もないところから発想して推し進めるってことなら「0から」でしょ?
いやいや、まず「1の手順」として「はじめの位置をどこにするか決める」んだよ。
その位置が「0」なんだよ。
えっ?何言ってるの・・・?
あぁ、そうか、お兄ちゃんの考えがそうかも。
ただ、もしかしたら、スタート位置は「マイナス」ってこともあるかもね~~~
ごめん、ほんと、二人に聞いたのが間違いだった・・・。
二人が何を言っているのか、理解できない。
三次元蟻にならないとね~。
あぁ、「宇宙兄弟」の、野口さんの話??
また、「宇宙兄弟」観たくなってくるね。
えっ何だっけ?三次元蟻って・・・。
一次元とか二次元とか狭い世界で考えていると行き詰まっちゃうから、三次元的に物事を見て視界を広げろってこと。
え~~?そうだっけ?
なぜ宇宙に行くかっていう話しでしょ?
そうだっけ?常識にとらわれるなって話でしょ?
早速、しばし、次男も強制的にアニメ版宇宙兄弟「三次元蟻」の鑑賞。
「宇宙兄弟」コミックスでは「野口さん」ではなく「野淵さん」となっているのですが、アニメではJAXAの宇宙飛行士野口聡一さんが出演しているんですよ。そして、すごいのは今現在2020年11月から野口さんはISS(国際宇宙ステーション)に長期滞在しているんですよ10年ぶりの宇宙だそうです。最初は2005年で、今回3回目ですからね。私より3歳年上ですから、本当に尊敬します。
三次元蟻
話を戻して、三次元蟻がコミックやアニメに出てきたのは、主人公のムッタが宇宙飛行士になるための試験問題への回答をチームで考えるお話です。
「宇宙開発はすごくお金がかかる。今、地球ではたくさんの問題を抱えているのに、宇宙開発どころじゃない。だから宇宙になんて行く必要はない。」という意見がある。この意見に反論してください。という課題。
そこで、ムッタは自分が小さい時に聞いた野口さんの「講演会」、三次元蟻についての話を思い出します。コミック内で弟日々人が宇宙飛行士になった設定が2025年ですから、おそらく野口さんが2回目の宇宙から帰ってきた2010年後のJAXAでの講演会でしょう。民主党政権下で「事業仕分け」が行われていた頃の設定です。
野口さんの話は、
「なんで人間が宇宙に行くか」「なんで宇宙に行かないといけないのか?」ということの野口さんの回答です。
一次元アリは、線の上を前後だけにしか歩けない。するともし、そこに、石が置かれたら、「一次元アリ」は前に進むことができません。「一次元アリ」にとって、世界の終わりです。
そこに、前後と左右に移動することができる「二次元アリ」がやってきます。「二次元アリ」は、その小石を見て言います。“横に回っていけばいいじゃないか”と。そうして二次元アリは、小石をそれて先に進むことができます。
ところが、歩いていくと、今度は横方向にもずっとつながっている壁があったとします。イメージとしてはアメリカメキシコ国境に作られた壁ですかね。
「二次元アリ」は困ります。このままでは壁の向こう側には行けません。
「二次元アリ」にとって、世界の終わりです。
すると今度は、前後と左右と上下にも行ける「三次元アリ」がやってきた。
「三次元アリ」は、その壁を見て言います。
“乗り越えればいいじゃないか”と。
そうして三次元アリは、壁を上り超えて先に進むことができます。
新しい世界を進むことができます。
ということで、野口さんは、
上から見る、下から見る、というような別の視点を持つことで、気がつくことがあるんじゃないかと。
宇宙に人間が行くということは、たんに遠くの星に行くことだけではなくて、地上で僕たちが抱えている問題を、
新しい視点から見て解くことができるんじゃないかなと。それが、僕たちが本当に宇宙に行きたい理由なのではないかと思います。
セリフ、丸写しです・・・・。
三次元を見せる
人間って、すぐ問題を作りだす一方、解決できないと言い、世界の終わりかのように絶望して、相手のせいにして終わる。でも、その先に目を向ければ、簡単に解決できることってあるかも。
例えば、視点を変えるだけ。フォーカスするところを変えるだけでもいい。
それだけで、世界の見方が変わるし、自分自身の世界も変わる。ってことを教えてくれました。
そして、また、今回、アニメを見直して、ムッタが何気に言っている言葉も大事なのかも、と思いました。それは
「2次元アリに、3次元アリの言うことなんてわからない。いくら説明したってわからない。だから・・・。わからない人は宇宙へ連れて行くしかない。」
つまり、野口さんの言葉と合わせてまとめると、
物事をいろんな方向から見るとか、いろいろな場所に行っていろんな意見を聞いたり見たりしたほうがいい。
他人に問題があると思っていたけど、じつは自分自身に問題があった。自分が行動を変えたら周り・環境が変化した。だったら、言ってもわからない1次元や2次元の人には、3次元を見せてあげるしかない。見せてあげれば、その人自身が自分で変わる。
それぞれのバックグラウンド等が異なることも理由でしょうが、話しが通じない人はいます。分かり合えないと感じます。
それはもう仕方のない事なのかと思っていました。だから、意見の対立をあおるだけでよい結果をうまないと、理解しあえないのは諦めることが一番よいと思っていました。
例えば今まで、次男の担任とは分かり合えないと感じています。次男が持っている問題意識や担任や学校への期待や要望など伝え、対応熟考を依頼してきましたが、実際に受け入れて変えてくれたのは、教頭と中間教室の先生方でした。
そして、次男だけでなく、中間教室に通う他の生徒さんたちの変化を目の当たりにして教科担当の先生方の協力体制も変わってきました。中間教室の生徒に学習意欲があると、今まで先生方は感じていなかったのかもしれません。
もしかしたら、
不登校というのは、学校に来られないということだから、がんばって登校したところで学習などできないだろうと。
思っていたかもしれません。
しかし、中間教室の生徒たちも、楽しく、面白く、ワクワクするような、新しい発見は好きですし、それが学習や知識ということもあります。未来につながる何かなのかもしれません。
ということで、今回は取り留めのない話のまま終わりです。
実際、アニメ鑑賞やいろいろな無駄話をして時間を過ごしましたが、結局次男の課題作文のサポートにはならなかったようです・・・
さて、久しぶりに、野口さんが乗るISSを見上げたくなりました。次は、12月20日の朝5時50分頃に南西から北東方向に動いていくISSが見えるはずですから手を振ってみましょう。子どもたちが小さいころは時々空を見上げ、ISSの動く光を眺めたものです。