親の代わりに年賀状 2021年版

親の介護

あれからもう1年。

また年賀状の季節です。

前回は年賀状の終活、「年賀状仕舞い」の話に触れましたが、今回は写真です。

年賀状のはじまり

まずはおさらい。

年賀状は、平安時代の貴族から始まったとされています。この時代お世話になった人や親族への年始回りも始まり、どうしても会えない遠方の人へ送ったのが年賀状。
江戸時代に手紙を送るというのが定着しだし、現在のような郵便スタイルになっていく。
明治6年に登場した官製はがきによって、一気に年賀状を出すのが恒例になっていったようです。
年賀郵便として特別に取り扱うようになったのは、誰もが年賀状を出すようになり、郵便局の仕事量が増え過ぎた為。
元旦に配達されるようにし、年末に受け付けるという制度を確立。
1949年にお年玉つき年賀はがきが考案されると、益々年賀状の需要は高まっていったといわれています。

年賀状を出す意味を問われると、多くの人は年始回りの代わりであるとし、普段会えない知人などへの近況報告も兼ねていると答えます。しかし近年、LINEなどを活用するなど、SNSによって世界と繋がることができることから、はがき版の年賀状を出す人は年々少なくなっているようです。

目がとまる年賀状

それでも、毎年送っていただく年賀状を見るとシンプルなものから手の込んだものまで様々です。

墨で書かれた達筆な文字やイラストを描き込んだものまで、書き手の思いが伝わってくるものがあります。
両親はほぼ私任せで、書くことは面倒なのに、元旦に手間暇かけたであろう年賀状を何度も眺めて嬉しそうにしています。

両親の世代の年賀状には写真を入れたものは少なく、若い世代からの年賀状には家族写真で子供メインのはがきが時折あります。中には趣味で撮った花や山の写真があり、その方の1年の過ごし方を知らせてくれています。
定型文言だけを印刷したものはサッと目を通す程度ですが、写真入りの場合は暫く見ていることがあります。長く見るのは特に子供の写真やペットの写真ですが、何か微笑ましく感じるのです。私などは知り合いでもありませんが、小さい子の写真は何故か心が和みますね。

そして、この子どもの写真入りの年賀状に対して賛否両論があります。
送る方の気持ちとしては、単に子供の成長を見て欲しいという考えからだと思われます。でもこれがおもしろくないとか、癇に障るという人がいるようです。

相手が未婚で子供がいない場合、何か当てつけのように捉える人もいます。

さらに、望んでいるのに子どもを授からない人もいます。悪気がなくても嫌がらせと捉えられると、人間関係が壊れたり、疎遠になったりしてしまうこともあるでしょう。

相手に不幸があった場合で知らずに出してしまうと‥‥送った側も後悔しますね。

また、子供に興味がないとか、幸せそうな雰囲気がイヤとか、あるかもしれません。

写真入りの年賀状を送る時には注意しながら

子供の写真入りの年賀状を控えた方が良い場合は、上記のように想像がつきます。

我が家はずっと家族写真入りの年賀状ですが、独身の友人や子どもを授かっていない友人宅にも毎年送ります。それらの友人が息子と直接会ったのは、赤ちゃんの時だったはずです。

実は、それらの友人には写真なしの年賀状を送ったことがあります。しかし、「どうかしたの?」と心配されたことがあり、私の友人は「毎年、大きくなった様子を見られる写真がたのしみ」と言ってくれます。

我が家も、息子たちがいつまで一緒に写真を撮ってくれるかわからないのですが、今年の年賀状も家族写真を作れそうです。

ただ、実際相手の気持ちを察するのは難しいです。

相手に不快感を与えてしまったり、その時の相手の思いを受け止めることができないこともあります。送る側が気がついていなかったり、それほど悪いことをしたつもりはないということもあります。

このすれ違いから、写真を入れることには賛否両論があるのかもしれませんね。

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高齢者の写真は?

親の代わりに、2021年版の年賀状案を考えていた時に、電話がありました。

今年は、写真を載せないでお願いしたい。
既に伴侶を亡くした人が写真を見てさみしいと感じたり、幸せそうだとうらやましがるから。

直接誰かに言われたの?

誰もそんなこと言ってこないけど、こちらの配慮が必要だとおもったの。

メリット・デメリット

まず高齢者の写真入り年賀状のメリットを考えてみると、普段会えない人の近況が分かりますね。両親ともに、同級会はここ数年開催されていませんし、ましてや今年はコロナ禍です。近況を知るというのは大切なことですし、写真入りだと、年の取り具合(笑)もわかります。

歳を取ると相手の様子が余計に気になるものではないでしょうか?年賀状を手にすると安心できるということもあると思います。百聞は一見に如かず、の通り写真を撮ったその日までの様子が分かるのですから、相手を安心させてあげることになるかもしれません。

それではデメリットには何があるでしょうか?両親が出す年賀状もかなり減って、出す相手が亡くなっているいることと、それほど親しくもない人には出さなくなりました。

もし仮に、不幸があった場合は、11月中にはそのお知らせが届くでしょうから、年賀状を送りません。

もし、相手が一人でさみしくてこちらの幸せそうな(?)年賀状を不快に思っているのであれば、既に数年間やり取りはないのではないか、と思います。

ということで、高齢者の写真入り年賀状を送るデメリットが思い浮かびません・・・。

せいぜい、年を重ねた写真を見て、「奥さん老けたねぇ」「もっとハンサムだったのに」と言われることくらいでしょうか。

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まとめ

数年前に父は入院して皆さんに心配をしてもらったこともあり、写真が入った年賀状を見て、「あぁ、元気でいるなぁ」とわかってもらえるし、それを見た方が、「久しぶりに連絡を取ろう」と電話をくださることもあります。

上記で述べたように夫婦の写真を年賀状に入れることに対して考え方はいろいろありますが、何事もケースバイケースですね。送る相手一人ひとりを思い浮かべて、決めるしかない。

相手の状況を把握しているのなら、配慮する気持ちは大事です。人は嬉しい時共感してもらいたい気持ちが大きくなります。それは決して悪いことではないのですが、相手がある時は相手の立場になって思いやりを持たなければいけないでしょう。

数日すれば母親も、「やはり写真入りにしようかな」と言い出しそうな気がします。

とりあえず、写真入りと写真なしの年賀状案をそれぞれ2点ずつ提案する予定です。

その後の直しなども入るし・・・・来年の元旦に皆さまのお手元も届けられるように早めの投函を目標に作ります。

Posted by カトラ