ご近所とのお付き合いとお世話になり方って難しい

親の介護

今、我が家が住んでいる場所は、約30年前に田んぼだった場所を住宅地にしたところに建っています。

つまり、我が家を含めて、先祖代々昔からこの地区に暮らしている、という家はありません。

30年ぐらい前に皆が一斉に家を建て、そこに住み始め、町会が出来たわけです。

例えば、我が家の隣のご夫婦には新築当時高校生の息子が一緒に住んでいましたが、

進学、就職、結婚し、他市に家を建てて出ています。

また、向かいの家のご夫婦は新築当時から夫婦二人でしたが、当時既に息子と娘はそれぞれ独立していたようです。

つまり、現在住んでいる方たちとの近所付き合いはあっても、娘や息子については良く知らないのです。

隣りの家の息子さん(40代)は時々奥さんと子どもを連れて遊びに来たり、泊まったりしているようで、会うと立ち話くらいはします。

一方、向かいの家の娘さんは(50代)、家の前の道でばったり会っても、挨拶もしません。

実家のご近所さん

高齢の両親が住む田舎は、江戸時代からそこに先祖代々住んでいたことはわかっています。

もしかしたら、それ以前からだったのかもしれませんが・・・。

つまり、ご近所との付き合いもその歴史分続いているわけです。

しかも、過疎化の波で、田舎から出ていく家はあっても新しく人が増えることはありません。

”どこの家に何年生の子どもがいる”とか、”親の仕事”、嫁いできた”母親の実家がどこか”なども皆が知っています。

それでも、ご近所の協力体制で行う冠婚葬祭は家で行うこともなくなり、ご近所づきあいも以前ほど親密さはなくなってきています。

実家の近所のおじさんに説教

田舎には江戸時代の「五人組」をベースにした「組」が続いています。

互いに助け合ってきた歴史を感じます。

高齢の両親も昔からご近所とは持ちつ持たれつ、のような関係で田舎暮らしを支え合ってきました。

実は、先日、同じ「組」のご近所のおじさん(80歳)が「来い」と言っていると母親に言われました。

毎年、年末には挨拶に行っているし、道で会えば挨拶しているので、「なぜ?」と思いましたが、

ちょうど姉が実家に行く用事があった際に、そのおじさんの家に寄ってくれました。

その夜、姉からの電話で、おじさんが怒っている理由が分かりました。

要約すると、

母親の横柄な言動に怒っている、というもの。
母親は認知症だ。
子どもがもっと実家に来て、面倒をみろ、
オレ(おじさん)も高齢で、他人の面倒を見るのはおかしい。
親の面倒は子どもがみるべきだ。
そろそろ実家においておくのではなく、親を連れて行って面倒を見ろ。

姉は泣きながら話してくれました。

「まるで、親の面倒をみない親不孝娘のような非難的な言い方をされたこと、母親は認知症だと思われていること」が、ケアマネージャーとして働いている姉の自尊心を傷つけたのでしょう。

姉と私の間では、「実家で最期まで暮らしたい」という両親の希望を支えようと話していましたし、

少なくとも週一で私が様子を見に行き、姉も可能な程度行ってくれています。

洗濯や食事など日常生活は二人でできているうちは実家暮らしでよいと考えています。

確かに、以前よりも両親の世話が多くなっているとは感じています。

ただ、母は「物忘れや軽度認知症」かもしれませんが、おじさんを不快にしたその態度は認知症ではなく元の性格です。

自治会の会計報告をしたおじさんに、お金の使い方などを指摘したようですが、一生懸命やってくれているおじさんに、母の性格では感謝を伝えることができないのです。

姉には、おじさんからの苦情を1人で受け止めてくれたことに感謝を伝え、仕事をしていない私がもっと頻回に実家に行くことを提案しました。

これから本格的な介護状態にいつかはなります。

姉との協力体制は整えたいと思っています。

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おじさんの真意はどこだろう

家族とご近所に見せる顔は違うので、私たちの判断が正しいのかはわかりませんが、

まだ、両親二人の生活は可能だと思っています。

介護認定はまだ受けておらず、行政には定期的な運動教室等で保健師にお世話になっています。

一方、おじさんは大工仕事をしていたこともあり、80歳とは思わせない身軽さや体の柔軟性があり、高齢化が進む地区の中でもかなり頼りにされている存在です。

ただし、おじさんは中学が終わってから60歳まで実家を出て生活していたため、この田舎暮らしはどちらかというと新参者の20年程度です。

そうです、20年ほど前、そのおじさんのご両親が相次いで入院が必要な病気になり、入院してから施設に移り、家に戻ることはありませんでした。

もちろん、我が家の両親はそのおじさんおばさんへの手助けはしていましたが、入院等になれば身内が来るしかなかったのだと思います。

つまり、おじさん本人が望む計画的な田舎暮らしではなく、親の介護から始まった田舎暮らしともいえます。

奥さんや子どもたちと離れ、最初はおじさん一人で実家に戻り、入院した親の介護をし始めました。

数年後に、奥さんが田舎へ来てくれましたが、当初奥さんは「田舎暮らしはイヤだ」と言っていました。

息子たちは来ない

80歳になったおじさんのところには、コロナ禍ということもあり、他県に住む息子たちは一度も来ていない様子。

息子たちからしたら、自分の実家、という感覚はないでしょう。

姉「おじさん自身が親の介護で自分の家庭を乱してまで田舎へ引っ越したから、それをしない私たちに腹が立っているのかもしれないね。
それに、おじさんだって80歳なんだし、心細くて息子たちに会いたいだろうに、おじさん自身がさみしいんだろうね、奥さんも初めての田舎暮らしで、イヤだろうね。」

そうかもしれません。

高齢の親を親身に面倒を見ない我が家を批判する一方で、

おじさん自身の息子たちへの「思い」が重なっているのかもしれません。

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向かいの奥さんの入院

さて、実家ではなく我が家の道向かいの家の奥さん(81歳)が入院しました。

3週間ほど前、道で会ったときに

明日から、入院するから、娘が家に出入りするけど、よろしくね。

えっ?奥さん自身が?
(体調は)大丈夫ですか?

大丈夫。

と、言いながら詳しい話はなく、自転車でさ~っと言ってしまいました。

普段はウワサ好きの奥さんなのですが、自分自身のことは話しません。

あまりにも簡単に言うので、数日の入院なのかと思っていたら、

3週間過ぎましたが、いまだ入院中です。

同じく81歳のオジサンはパーキンソン病の治療と要支援2の介護認定を受けており、普段はデイサービスへ週何回か通っているなど、1人暮らしはできそうにありません。

ということで、奥さんが行っていた通り、同じ市内に住む娘さんが来ています。

ゴミ出しなどで道で会うことがありますが、挨拶をしても返事はありません。

話したくないんだろうな・・・・

ご夫婦だけの生活で困ったことがある時は、我が家もなんどかサポートに入ったこともありましたが、娘さんとの面識はないので仕方ありません。

娘さんの考えとしては、高齢両親のことは全て自分が対応する、というお考えなのかもしれません。

近所に迷惑をかけたくない?
近所に知られたくない?
コロナ禍で、身内以外に介護はできない?

娘さんの車の動きから想像すると、午前中におじさんと一緒に病院へ行き、奥さんの洗濯物などを回収。
昼食後、数時間、単独で外出(おそらく家に帰っている?)
夕方から戻って、泊まっているようです。

おじさんの介護の状態はよくわかりませんが、奥さんの話では、「指示をすれば自分一人で動作はできる」と言っていたので、身体介護などはないと思われます。

しかし、既に3週間、娘さんの疲労もかなりではないかと想像します。

実家の両親がご近所にお世話になっていることを考えると、

情けは人の為ならずというか、世代は巡るというか・・・

目の前の娘さんにお手伝いできることはしますよ・・・そう言いたいのですが、

まずは挨拶くらいから始められれば・・・

時代や価値観の変化と介護

介護、というのは老親に対するものだけでなくどの家族においても発生する出来事でしょう。

親の介護は「介護保険制度」の利用から考え、

子ども世代である私たち家族の生活を犠牲にすることは最小限にしたいものです。

子どもだけ、身内だけで介護をするのは大変です。

やはり、大なり小なり、ご近所の方のサポートが得られれば・・・と思います。

コロナ禍でお願いできることは多くはないかもしれませんし、

”ご近所同士”という価値観が通じない時代になっているのもわかります。

自分の親の介護を目前に、ご近所付き合いの事を考え、気が重くなっているこの頃です。

Posted by カトラ