【文例あり】親の”おつきあい”が負担になってきました

親の介護

こんにちは。
87歳両親の通い介護をしているカトラ(50代主婦)です。

この数年、認知症が進んできた親の”おつきあい”の終い方に悩んでいます。
親の名前でやり取りしている季節の挨拶や贈り物がありますが、親の代わりに送っているのが私だからです。

親の”おつきあい”の相手は、かつて親がお世話になった方、仲よくした同級生、家族に近い親戚ですから、娘の私が勝手に関係を絶ってしまうのもどうかと悩んでいます。しかし、私が知っている親戚関係ならまだしも、面識のない方たちとのおつきあいを継続するのはしんどくなってきました

みなさんも「親のおつきあいをどうするか」悩んだことありませんか?

今回は親のおつきあい関係を代行している私が考えた失礼にならない「おつきあい縮小方法」を提案します。

【この記事でわかること】

親のおつきあい関係を代行している私が考えた失礼にならない「おつきあい」縮小方法として礼状がある。

親のおつきあいは定期的に届く

仕事を引退した高齢両親の日常の”おつきあい”はご近所がほとんどですが、他県に住むかつての同級生や親戚もあります。

具体的には、年賀状、暑中見舞いといったお便りと、お中元、お歳暮、特産品のやり取りがあります。
コチラからは秋にブドウやリンゴといった長野県の特産品を送りますが、相手からの贈り物へのお返しはそれとは別ですから、「何をお返ししようか・・・。」毎回悩みどころです。

まぁ、「お返し」は品物を選び、お店から配送手続きをすればいいのですが、さらに悩ましいのは「礼状」です。
電話でお礼で済ますことが多いのですが、やはりマナーとして「礼状」を送りたいようです。

おつきあいを続けたいけど
もう小さい字が書けない。
漢字を忘れた。

ということで、頼まれて親の代わりに手紙(礼状)を書くことがあります。

そんな時・・・・

形式的なやり取りで面倒なだけだ。
そろそろ(贈り物のやりとり)やめたいなぁ。

「お返し」作業をする姉も、「礼状」を書く私も、「面倒です」、とはなかなか言い出せなかったのですが、何気ないこの父の一言を聞き逃しませんでした。

「じゃあ、そろそろ”おつきあい”の贈り物はやめにしましょう。」

段階的に縮小へ

とはいうものの、全ての”おつきあい”を絶つのも現実的ではありません。
高齢の親ですから、自然にフェードアウトしていく方法もありとは思いますが、相手に失礼にならないようにしたいというのが一番です。
まず、コチラからは送らないことはできるけれど、相手からは例年通り送ってくれるよね~

ということは送っていただいた際のお礼状に「次回は辞退したい」という文言を入れればいいのでは?!ということになりました。

父自身も「おつきあい」の縮小を希望していることもあり、普段なら「礼状」のみで終わらせているところ、今後は次回からは辞退したい意向を伝える手紙を送るという案も出ました。

「やめる」「断る」のは勇気がいります。でも高齢親の”おつきあい”はいつかは終います。親自身が持っている相手への感謝の気持ちを尊重し、できるだけ失礼のないようにしたいので、さっそく手紙案を準備しました。ただし、親の気持ちや相手とのおつきあいの深さもあるためすべてのおつきあいをなくすことはできないため、おつきあいを辞退する場合継続する場合両方の案を考えました。

今回、親の代わりに書いているときに浮かんできた疑問に対処しながら文例をまとめましたので、同じような疑問を抱えて代筆をしよとしている方のお役に立てれば嬉しいです。

疑問に思ったこと

・代筆であると書いた方がいいのかなぁ。
・代筆の場合、署名はどうかくのかなぁ。
・代筆している理由として親の状態(認知症や老化)を伝えた方がいいのかなぁ。
・今後のおつきあいをやめる場合のいい書き方ないかなぁ。

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手紙の書き方

手紙を書くとなったとき、便箋に向かってスラスラと書き始めることができる方は羨ましい。

まず私は、「手紙 書き方 マナー 文例」などと検索します。

この頃ほとんどlineで、短文の要件のみで済ませてしまうから、手紙の書き出しさえかけません。

手紙の書き方やマナーはちゃんと調べないと・・・

【手紙の書き方が詳しいHP】
文具メーカーmidoriさんのページ日本郵便株式会社のページ手紙の書き方大事典は場面設定や文例がたくさん載っていてとても参考になります。

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代筆であることを書くか書かないか?

親の手紙を代筆する場合、といっても、状況は異なりそうです。

例えば、認知症などで親と相談できない場合もありますし、親の依頼で代筆し内容も相談できる場合もあるでしょう。

親の代筆、親本人と相談できない場合

親が入院や施設入所したり、認知症で親本人が判断が難しくなってしまった場合も、そんな親を気遣った”親のおつきあい”は継続していることがあります。

我が家もいつどうなるかわからないのでそれぞれの立場でお返事を書いてみました。

親の状況を伝え、以降のおつきあいを辞退する

たとえば、送り主と懇意だった親が認知症になり記憶が薄れ判断もできない状態になったり、毎回親の代わりの礼状を面倒に感じたりしてくると、形式上で送られてくるモノは受け取る理由がなくなり、今後はお断りしたい気持ちになります。

受け取る子どもの立場からすると、親の知り合いから何かと送られてくるが、親本人は理解できていないし、送ってもらうのがなんだか申し訳ない、それにそのこと自体がいつしか子どもの負担になっている
結構です、とも言いづらい・・・」
ありがたいが、気を遣わせて申し訳ない
受け取る理由がない
 というように、悩んでいる子ども世代もいらっしゃるのでは?

私の実家でも毎年3回、大きな段ボールで届く食品があります。50食分以上は入っています。

父の友人が稼業で作っているものですが、定期購買のように食べきってないうちに次の便が届きます。実際、父も断るか数を減らしてほしいと思っているようですが、結局毎回言えずにいます。

今後、父が判断できなくなったら、私が断ろうと準備しています。

お中元の礼状代筆例①<親の状況を伝え、以降のおつきあいを辞退する>

拝啓
日ごとに暑さが増してきましたが、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
さて、この度もたくさんのところてんを頂戴しまして、誠にありがとうございます。
父○○の好物で、体調管理にも良いのでさっそく喜んで賞味しております。
いつも何かとお心にかけていただきまして感謝申し上げます。
日ごろご無沙汰ばかりで何のお役にも立てませんのにと、大変恐縮しております。
父○○ですが、穏やかに過ごしておりますが、数年前の骨折で入院した頃より
体力気力の低下が著しく、自身でのご挨拶が難しくなってまいりましたため、
■■さまのご厚意はいつも大変ありがたく存じますが、今後はどうか
このようなお気遣いなさらないようにお願い申し上げます。
あたたかなお心遣いに対し、堅苦しいことを申しますようで誠に心苦しい限りでは
ございますが、どうかお気を悪くなさらないでくださいませ。
略儀ながら、書面をもって、お礼とお詫び申し上げます。
時節柄、ご自愛くださいますようお祈り申し上げます。
                                    敬具
       年  月  日
                               <父の名前>
                                代 (私の名)

これが、年賀状で、来年からの年賀状を断る例になると。

・年賀状代筆例㋑<親の状況を伝え、来年以降の年賀状を辞退する>

あけましておめでとうございます
お健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます
父(母)の○○が高齢となり娘の□□が代わりにご挨拶をさせていただきました
○○は穏やかに過ごしておりますが、●●歳の高齢となり種々不如意となって
まいりましたため今後のご挨拶については失礼いたします 事情ご賢察の上、
なにとぞご理解下さい
今までのご厚誼に心よりお礼申し上げるとともに 皆様のご健康とご繁栄を
心よりお祈り申し上げます
          令和  年 元旦

親の状況を伝え、今後のおつきあいも継続

一方、確かに認知症はありますが、親本人は年賀状や贈り物を喜んでいて、お礼状を出すのが面倒、という私が「勘弁してよ~」と思っている場合です。

お中元やお歳暮などの贈り物は止めたいけれど、年賀状や暑中見舞いくらいなら続けてもいい、という感じです。

・お中元の礼状代筆例②<親の状況を伝え、今後のおつきあい継続>

拝啓 暑さも本番を迎えたばかりですが、皆様お変わりございませんか。
 さて、この度はご丁寧なお心遣いをいただき、誠にありがとうございました。
父○○の好物ですので、大喜びですぐに食べてしまいました。
米寿を過ぎ、父○○は穏やかに過ごしておりますが、自身で筆をとり、
お礼をお伝えすることは難しくなりました。それでも、◆◆を食べると
今年も夏本番の気分になると申し、□□様との昔話などしております。
いつも何かとお心にかけていただき感謝しております。
今後も変わらぬおつきあいをいただけますようお願い申し上げます。
 しばらく暑い時期が続くようですが、皆様どうぞご自愛ください。
 略儀ながら書中にてお礼申し上げます。
                                敬具
                  
   □□年七月□日
                       ○○(父の名)
                         代 ▽▽(私の名)

年賀状はまさに、本人からの返事はしないけど「お便りはOKです」という文面になりますね。

・年賀状代筆例㋺<親の状況を伝え、今後も年賀状継続>

あけましておめでとうございます
お健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます
父(母)の○○が高齢となり娘の□□が代わりにご挨拶をさせていただきました
○○ですが、自身で筆をとることは難しいのですが
いただいたお便りは嬉しそうに読んでおります
どうか今後も変わらぬおつきあいをいただけますようお願い申し上げます
       令和 年 元旦

親と相談できる場合

さて、上記2つでは、先様から送っていただいた後の返事を想定していますが、実際には先様も「そろそろやめたいなぁ」と思っているかもしれません。

本来は、お中元やお歳暮など贈るのをやめるという挨拶状などは送らず、ただただ品物を贈るのをやめればいいようです。そしてもし、贈っていないのに先方から届いた場合には、お礼状を書き、そこに、今後は贈答を辞退したい旨を書き添える形でよいそうです。

しかし、なかなか終わらないやり取りの関係で、コチラから「やめる」意思を伝えるのも一つの優しさでしょう。

親の目線で親の状況を伝え、以降のおつきあいを辞退する

ということで、親と相談し、コチラから「やめる」という意思表示を代筆で書いた場合の例です。

・贈り物をやめるときの代筆例③<親の状況を伝え、こちらから送るのやめます>

拝啓 梅雨明けの候、いかがお過ごしでしょうか。
父○○ですが、認知症の症状などから自身でご挨拶が難しくなってまいりまして、
娘の▽▽が代わりにご挨拶申し上げます。
○○の言いつけの通り、毎年季節のご挨拶をさせていただいておりましたが、
□□様よりご丁寧なお返し、ご連絡をいただきまして、かえってご負担、
ご面倒をおかけしているのではと○○共々恐縮しております。
 つきましては、誠に勝手な申し出ではありますが、○○も米寿を迎え、
例年のご挨拶は今後から失礼させていただきたく存じます。
今までのご厚情には感謝の念でいっぱいでございます。
厳しい寒さが続きますので、どうぞご自愛くださいませ。
                               敬具
      年   月   日
                            <父の名前>
                             代 (私の名)

そういう点でいうと、親の年賀状辞退のはがきも、11月~12月中にお知らせして断ればいいのかもしれません。

・年賀状辞退の代筆例(a)

拝啓 追々寒さに向かいますが、いかがお過ごしでしょうか。
さて、長年にわたり年賀状を頂戴しております父でございますが、
〇歳と高齢になり、手元がおぼつかなくなって参りましたため、
年始のご挨拶については不義理をさせていただきたく、誠に
勝手ではありますが、どうか御了承いただけますようお願い申し上げます。
本人は、穏やかに過ごしておりますので、どうぞご休心ください
長きに渡りまして皆様にはあたたかい賀状を賜り、ありがとうございました。
心より御礼申し上げます
皆々様のご健康をお祈りいたします。
                               敬具
     年  月  日
                          <父の名前>
                          <私の名前>(娘)
                            私の連絡先

ただし、高齢の方たちは最後に年賀状を書いてその文中で「来年からは断ります」という年賀状に来年以降の挨拶を控える旨を添えておく、というのが一般的なようです。

・年賀状例㋩<年賀状に来年以降の挨拶を控える旨を添えておく>

あけましておめでとうございます
旧年中は大変お世話になりました
父(母)ですが 高齢のため毎年の年賀状をしたためることも
難しくなってまいりました
今後の年始のご挨拶については今年限りで失礼いたしますが
事情を察知の上ご理解くださいますようお願い申し上げます
長い間楽しいお付き合いをしていただきありがとうございました
尚 父(母)との連絡は○○(娘)までお願いします
皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします
   令和 年 元旦

親が手紙や年賀状を書けない理由(認知症や老化)を伝える?

親の”おつきあい”を止めたいと思っていくつか例文を書きましたが、やめる理由として「高齢、病気、入所」等を記載すると、相手に事情を理解してもらいやすくなると思いました。

両親に届いた賀状には「今年でやめます」と書かれたものありますが、それらもみな「高齢」が理由でした。

しかし、実際には親自身のプライド、あるいは心配かけたくない、という思いから、相手に病名や施設名、症状等を伝えてほしくないと考える場合もあるでしょう。

そういう時は、親の状況には触れず、さらっとお礼のみを書いてしまいましょう。

拝啓 ようやく梅雨が明け、本格的な夏を迎えました。
皆様にはお元気でお過ごしのことと存じます。
 さて、この度は心のこもったお品をいただき、誠に
りがとうございました。
家族皆で賞味させていただき、大変喜んでおります。
 いつもながらのお心遣い心より感謝申し上げます。
 暑さも続くと思われますので、夏バテなど
なさいませんよう、ご自愛くださいませ。
 まずは取り急ぎお礼申し上げます。
                     敬具
       年  月 日
                  <父の名前>
                   代(私の名)

年賀状の場合、「病気を理由にやめる」のではなく、「年賀状を止める」という文脈にしてしまえばいいのではないかと思います。

あけましておめでとうございます。

お変わりございませんでしょうか。
さて毎年頂いておりました年始のご挨拶ですが、私自身、
高齢になり文字を書くのが大変になってきました
誠に勝手ながら本年をもちまして年頭のご挨拶状を
失礼させていただきたく存じます。
長きに渡りまして皆様にはあたたかい賀状を賜り、
ありがとうございました。
今後は電話などで連絡を取り合わせていただけましたら幸いです。
皆様のご多幸とご健康を心よりお祈り申し上げます。
   ××年 元旦

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まとめ

今回は、高齢の”親のおつきあい”関係をどうするかを、「親の気持ちや義理」と「形骸化や面倒な手間」を天秤にして考えました。

おつきあいも年齢とともに縮小していくものだとは思いますが、全くおつきあいがなくなるさみしさも理解できるので、スマホを使えない親世代は年賀状や暑中見舞いのやり取りや電話でのおつきあいのみにしていこうと思いました。

少しずつフェードアウトしていく方法もありますが、手紙でお伝えしておつきあいを閉めていくことで気持ちも整理できそうです。

親の介護で、「代筆」や贈答などを親の代わりにされながら、知らない相手への面倒な手間を「やめたいなぁ」と思っている方に、少しでも役に立てば幸いです。

親の代筆をした過去記事はこちら↓

Posted by カトラ