更年期はいつか終わる、でも人生はまだまだ続く

健康

こんにちは。看護師、健幸アンバサダー、50代主婦カトラですプロフィール

更年期症状でしんどい中、このサイトを覗いていただきありがとうございます。
私も更年期の真っただ中、3度目の自己コントロール不能の日々です。

自己コントロール不能というのは自分の体が自分の体ではないような感覚のことで、1度目は「思春期」、2度目は「産前産後」、そして現在「更年期」で3度目です。
みなさんお気づきの通り、この3度すべてに共通する犯人はホルモン。思春期のイライラも産後の落ち込みもそして、更年期の各種体調不良もホルモンがそうさせていること。私たちのわがままでも怠けでもなく、ホルモンが原因です。

つまり、更年期でしんどい時に対峙すべき相手は嫌味を言う同僚や上司、理解してくれない夫や子ではなく、向き合うべきは自分の体(”ホルモン”に影響されている)ってことです。
ここで間違った相手と対峙してしまうと、後々まで人間関係が修復できないことになったり、退職離職など人生プランの変更を迫られたり、時には深い「キズ」として自身の体や心に残ってしまうこともあるため注意が必要です。

今回は「更年期」の今、心の「キズ」を作らないために、自分と向き合う方法でうまくいっていると感じた3つを提案します。

この記事で提案していること
・更年期を知って操縦桿は譲らない気持ちでいこう。
・自分自身の体の変化を感じ、「更年期だから」という自己診断はやめよう。
・更年期は数年間の対応で乗り切る覚悟で、人生の大切なものは守ろう。
・更年期はこわくない。自分と向き合いながら、change of life ‼

自分が自己コントロール不能を感じたとき

月経が始まった頃のことをおぼえていますか? 
いつくるかわからない不順な月経や自分の身体が変化していく不安と恐怖。わけもなくイライラして親や周囲に反抗したり、何気ないことに傷ついたりしたあの頃です。自分が何者かを模索していました(遠い目)。

一方、更年期の今も、体のあちこちに不調を感じ、このまま老いさらばえていくだけなのかとやはり不安や恐怖を感じています。自分らしさがわからなくなり、自分の言動にさえもイラついている感じ。

思春期は女性ホルモンが増え、更年期は減っていくのですが、そこで現れる感覚はなんだか似ています。

とにかく「思春期」も「更年期」も自分自身の経験としては初めての事ばかりで、渦中にいると自己コントロール不能感とともに「あんなことしちゃった」「こんなこと言っちゃった」と後悔することばかり。

実際、この自己コントロール不能感は精神衛生上よろしくない。

体と自己を切り離して考えてみる

ということで、「本当の自分じゃない」と思う言動をしたときに後悔するのは止めて、「それはホルモンのせい」にしてしまいましょう。

例えば、心身二元論で心と肉体は別物だ、という考え方でしょうか。う~ん、でも、実際には、パイロットのシンジの意識がない時に暴走したエヴァ初号機ような距離感。

自分の体だけれど、自己コントロールが及ばないと暴走してしまう。みたいな…

操縦桿は譲らない

一番怖いのは、悪化させることです。つまり、自己コントロール不能な時、暴走を繰り返すと「こんなことをした自分はダメだ。できない自分はダメだ。」という思いも繰り返す。すると、そういう自己嫌悪が心を覆いつくし、体調の変化や心の状態をさらに悪化させていくことがあるんです。

その間にした言動で自分も他人も「キズついている」ことがあります。

つまり更年期の過ごし方によっては、自分の体内のホルモンによる変化に自分全部てを支配されてしまい、さらには、その後の人生に影響を及ぼしかねない「キズ」を作ることにもなるわけです。

思春期も更年期もほとんどの皆が経験する体の変化です。
それは、いつか終わり、人生の中においては「一部分であり節目」です。

ただし、乗り越え方を間違えると心に大きな「キズ」を作る。だから大切なのは、思春期も更年期も、「悪化をさせない」こと。

ホルモンによる体の変化を理解し受け入れた上で、あくまでも操縦桿は自分で握る、それが理想だと思うんですよね。

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更年期による体の変化

更年期は全員通りますが、「更年期の症状」は何も症状がない方から、症状を多少感じる方、症状が重い方、そして治療する方、しない方などいます。まぁ、約8割が何かしらの症状を自覚しているとも言われており、「ホットフラッシュ」と呼ばれるほてりやのぼせなどが代表的症状です。

それ以外では頭痛、肩こり、めまい、関節痛、冷え、不眠、腰痛、膣の乾燥、湿疹ニキビ、イライラ、憂うつ感、集中力の低下など、更年期の症状はも200〜300種類あるといわれており、どれが更年期の症状か、病気の症状か、症状として重いのか軽いのかなどを見分けるのは難しいわけです。

例えば、女性ホルモンの低下で不調が出ている場合でも、「目が乾いたから眼科」「肌の調子が悪いから皮膚科」など病院へいくとその場の診断名がつき薬が処方されます。しかし根本的な原因を解決できないので、結局不調が改善されず、また違う病院へ、と出費がかさむことになります。また、「なんだかわからない不調」で病院に行ったけれど「特に異常なし」といわれてモヤモヤしてしまうこともよくあります。

40歳以上の女性で「なんだかよく分からない不調」が続くときは、婦人科で更年期の検査を受けたり「女性外来」などで更年期を念頭に入れた相談をしてみるのがおすすめだと思います。実際「婦人科」に相談すると、まずは「採血」をして女性ホルモンの変化を確認し、必要であれば更年期に適した治療が始まります。根本的な原因が更年期なら、更年期の治療をすることでさまざまな不調がラクになることがありますからね。

一方、心配なのは我慢しすぎることです。

「これは誰にである更年期の症状だから」「更年期だからほっておけばいいの」「いつか終わるから」と自分自身で診断を下して我慢してしまうがあります。特に、更年期世代は日常生活に忙殺され、子どもや家庭を優先してしまうため自分への対処をおざなりにしがちです。適切な対応や治療で症状が軽くなることもあるので、我慢のし過ぎは得策ではありません。

また、怖いのは体の不調をすべて「更年期のせい」にしてしまうことです。

つまり、「更年期だから」という自己診断は、重大な病気の見落としになる可能性があるのです。
更年期症状とよく似た症状をもつ他の病気もあるので注意が必要です。
例えば、月経異常、物忘れ、だるさや倦怠感、ホットフラッシュ、冷えなどは甲状腺の病気、指のこわばりは関節リウマチ、気分の落ち込みはうつ病、不正出血は子宮体がんの可能性もあるんです。

更年期障害は生活に支障がある

さて、更年期は全員通りますが、更年期障害は全員に起こるものではありません。

更年期症状のうち、生活に支障が出る場合を「更年期障害」といいます。
更年期障害になると、QOL(生活の質)が低下し、仕事の能率が落ちたり、体調が悪いため外出できなくなってしまうこともあります。

更年期障害の主な原因は、エストロゲンの血中濃度が大きく変動しながら低下していくことです。エストロゲンは卵巣から分泌されている女性ホルモンで、更年期になると卵巣機能が低下することに伴い、エストロゲンの分泌量も減少します。これを脳が感知すると自律神経バランスに乱れが生じ、それに加えて身体的(加齢など)、心理的(性格など)、社会的(職場や家庭の人間関係など)な要因などが関与することで、更年期障害を引き起こすと考えられています。

簡易更年期指数(SMI)漢方のツムラさんのホームページより

更年期障害の診断ですが、日本で広く用いられているのが、「簡易更年期指数(SMI)」という自己チェック表です。
下記の表に自分の症状に応じ、点数を記入し、その合計点数をもとにチェックしてください。

症状
1. 顔がほてる10630
2. 汗をかきやすい10630
3. 腰や手足が冷えやすい14950
4. 息切れ、動悸がする12840
5. 寝付きが悪い、または眠りが浅い14950
6. 怒りやすく、すぐイライラする12840
7. くよくよしたり、憂うつになることがある7530
8. 頭痛、めまい、吐き気がよくある7530
9. 疲れやすい7530
10. 肩こり、腰痛、手足の痛みがある7530
1から10までの合計点を記入
                小山嵩夫先生による簡易更年期指数(1992)より

0~25点:問題なし。
26~50点:食事、運動に気をつけ、無理をしないようにする。
51~65点:外来で、生活指導カウンセリング、薬物療法を受けた方がよい。
66~80点:長期(6ヶ月以上)治療が必要。
81点以上:各科の精密検査が必要。
通常は、このSMIや問診によるチェックを行って、血液中のホルモンの分泌量を測定する血液検査を実施します。

更年期障害も「更年期」が終わるころには症状が落ち着きます。
しかし、働いていると、睡眠障害など軽くても仕事の質に影響が大きい症状もあります。治療をしないまま、仕事にミスがでたり効率が落ちたりすると精神的にもつらくなり離職につながることもあります。そして更年期の症状のため働く女性が離職したり昇進を断った場合、そのチャンスは戻らないことが多いため、残念な気持ちになります。

更年期による不調だとわかれば、治療を受けることにより、仕事をしながら上手に更年期の時期を過ごせるのではないでしょうか。 更年期障害とまでいかなくても、 更年期の症状でつらい期間は5年程度ともいわれます。適切な治療によりその5年を乗り切るという考え方はいかがでしょう。

更年期障害の治療など

更年期障害の治療は、ホルモン補充療法(HRT)と漢方治療が主なもので、精神的な症状が強い場合などは抗うつ剤や、睡眠剤などの薬を使うこともあります。
また環境の要因が強い場合などはカウンセリングも有効と考えられています。
とにかく、治療によって症状が改善されることがほとんどですので、辛い場合はがまんせず婦人科を受診して治療を受けるといいでしょう。

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更年期は人生のターニングポイント

「更年期」の英語表記は「 menopause 」ですが、婉曲的な表現として使われているもう1つの言い方には「 the change of life 」があります。

先ほど働く女性がキャリアをあきらめないために更年期を「乗り切る」という考え方を提案しましたが、そういう「get over や survive」的な更年期を「困難なもの」としてとらえる感覚ではなく、人生のターニングポイントとしてとらえようという考えが広まっています。

それは、それまで家族優先・自分後回しにしてきた女性に、今までの生活習慣を見直し、自分の心と体に優しく目を向け、老後を健康に過ごすために準備をするために与えられた期間というわけです。

そうそう、つまり、更年期はライフシフトの時期、シフトチェンジするタイミングというわけです。

まとめ

更年期は誰にでも訪れるもので、症状が起こる原因はホルモンの乱高下、加えてその人の性格や環境も関係していると考えられています。
また、更年期に起こる症状は現れ方も頻度も重さも人によって違います

もっというと、同じ症状でも、人によって「重く感じるのか軽いと感じているのか」違うのです。
私自身はホットフラッシュが時々ありましたが、周囲に気取られない程度でした。「突然職場で汗かくかもしれないし…今日は何着ていこう」と、自分にとっては毎朝悩みの種でした。ところがある真冬の日、目の前の同僚がうちわであおぎながら汗が流れる額そして顔全体をタオルで拭いているのです。彼女は淡々と「これって、ホッとフラッシュってやつだよね?恥ずかしいなぁ~」と言っていました。あまりの衝撃的場面に驚いたものの、「そんな受け止め方もあるのか。」と納得したことがあります。

つまり、同じ症状でもつらいかどうかは人によって本当に違うし、悩みの感じ方や大きさも違う。
だからこそ、どんな症状がつらいのか、自分はどうしたいのか、自分自身と向き合うことが大事なんだなと思います。

更年期は怖くない。
怖いと思うのは、「更年期」をどう過ごしたらいいのかを知らないから。

更年期でも自分自身が少しでも快適に、体に無理なく過ごすためにできることは、一般的に良いと言われているような食事、睡眠、運動などに生活習慣を見直すことや婦人科で相談し治療を受けることなど、意外にシンプルなことなんだと思います。
正しい情報や経験談などたくさん得て、「更年期症状」を一人で我慢せず適切に医療を頼り、自分でもセルフケアをしていきましょう。

そして、更年期の今はまさに、今までの人生を見直す時の訪れだと理解しましょう。

自分を後回しにして我慢してきましたよね?
そしてただがむしゃらに走り続けてきたような日々ではないですか?
それこそを自身の体が「そろそろ見直してほしい」と言っているんだと思います。

全部ひとりで完璧を目指さして忙しく過ごしてきたあなた、これからはできるだけ休養のための時間を確保したり、自分のしたかったことをするなど次の自分のための人生ステージの準備をする時期です。

体と相談しながら折り合いをつけながら自分のやりたいことを進めていく、こういう生活を心がけると、「更年期」も案外楽に乗り切れるような気がするんですよ(私の体験談のみ)。

更年期の過ごし方の一例として知っていただけると嬉しいです。

この記事で提案したこと
・更年期を知って操縦桿は譲らない気持ちでいこう。
・自分自身の体の変化を感じ、「更年期だから」という自己診断はやめよう。
・更年期は数年間の対応で乗り切る覚悟で、人生の大切なものは守ろう。
・更年期はこわくない。自分と向き合いながら、change of life ‼

Posted by カトラ